



私は今、片道1時間かけて会社に通っています。しかも、東海道本線を使っている為、毎日満員電車です。本当に混んでいて、鞄から手を離してしまっても、その鞄が下に落ちないほど満員なのです。妊婦がこんな電車に乗っていて良いのでしょうか?良いはずがありません。そこで最近は、東海道本線よりかは比較的空いている横須賀線を利用しているのですが、それでもかなり混んでいます。本当は9時出勤ではなく10時出勤ぐらいにしてもらえば、すこしは空いているのかもしれませんが、あまり特別扱いをしてもらっても会社に居ずらくなりそうなので、まだ話していません(小心者なのです…)。しかも、10時出勤にしても、座席に座れなければ、同じように私は疲れてしまうのです。何時出勤にすれば確実に座れるのでしょうか…? 先日、こんなことがありました。
いつものように満員電車に立って乗っていると、突然気持ち悪くなって私はその場に座り込んでしまいました。それでも気持ち悪く、ベルトを緩めたのですが、今度はなぜか冷や汗が出てくるのです。近くにいた女性2人が心配して声をかけてくれ、「私の体に寄りかかって下さいね」て言ってくれました。そこでご好意に甘えて寄りかかりながら座っていたのですが、電車が駅に近づいて来たので、とりあえずその駅で降りようと思い、立ち上がろうとした瞬間、目の前が真っ暗になりました。貧血です!
幸運なことに、満員電車だった為、皆さんが私の体を支えてくれ、私は倒れずに済みました。目の前が真っ暗になっていたにも関わらず、意識はどうにかあったので、思わず手放してしまった鞄を拾ってもらおうと叫びました。すると、先ほどの親切な2人の女性と男性の方が私の体と鞄とハンカチを持って、一緒にその駅で降りてくれました。そして、私を近くのベンチまで運んで下さったのです!!そして、その男性が「救急車!」と叫んで下さり、私は、ボーとした頭のまま担架で駅員室に運ばれました。私はかなり冷や汗をかいていたらしく、担架は私の汗でビショビショでした。一緒に駅員室まで来てくれたその男性も、私のことを「倒れてきた時は死人かと思ったよ」と話していたほど、私の顔は青白かったそうです。
その後、私は救急車で病院に運ばれ、病院に着くと「妊娠による貧血ですね。点滴打ちますか?」と、簡単に言われ、救急車に乗って来た私は何だかバツが悪くなり、「点滴は結構です」と言って、逃げるように自分の足で歩いて帰りました。後で考えてみれば、貧血になったということは、栄養不足だということなので、点滴を打ってもらえばよかったと後悔しました。
駅に戻ってから、駅員さんに私を助けて下さった方々の住所をきいたのですが、男性の方の住所しかわかりませんでした。その男性の方は、私のことに気を取られて、電車の中に自分の鞄を置き忘れてしまわれたそうです。でも、幸いすぐに見つかり、無事会社に向かわれたそうです。そのときは本当にありがとうございました。後日、心ばかりのお礼をしたところ、奥様からお礼の電話が来ました。私を助けて下さったときも、もしかしたら奥様のことを考えて、他人事ではいられなかったのかもしれません。本当は、あの時に助けてくださった女性の方にもお礼を言いたいのですが、連絡先がわからないのが残念です。本当にありがとうございました。
貧血で倒れたのは大変でしたが、皆さんの優しさに触れることができ、私はとても幸せな気持ちになりました。よく、「都会の人は不親切だ」と言いますが、心の優しく、親切な方も沢山いるということがわかりました。私もこれからは、困っている人を見かけたら助けてあげようと思います。
